ニキビ
ニキビは最もありふれた皮膚疾患です。
おそらく、誰もが一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
あまりにも身近な疾患であり「成長過程の一つ」のように病気ではないかのようなとらえ方をされがちですが
炎症がひどいと痕が残ることもあり、患者さんにとっては大きな精神的苦痛を伴います。
当院では「たかがニキビ」などという認識は捨て、患者さんの悩みに真剣に向き合って全力で治療を行います。
✒︎この記事の要旨
☑︎皮脂分泌亢進・毛穴の詰まり・菌の増殖が三大原因
☑︎ニキビ治療の主役は「べピオゲル」
☑︎重症ニキビには秘技・面ぽう圧出法で芯をえぐり出す
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皮脂分泌亢進・毛穴の詰まり・菌の増殖が三大原因
ニキビができる原因は以下の3つです。
①男性ホルモンが毛包へ作用し、皮脂分泌が亢進する
②毛包入口部分が角化して毛穴が塞がってしまう
③細菌(アクネ菌)の増殖による炎症反応が生じる
単なる毛穴の感染症ではなく、様々な病態が複雑に絡み合った疾患なのです。
ニキビ治療の主役は「べピオゲル」
ニキビの治療は近年大きく進歩し、保険診療でも十分に効き目が出るようになってきました。
炎症が激しい場合は保険診療の範疇で治療を行い、その後瘢痕などが気になり治療をする際に自費診療を活用する、という流れを当院ではおすすめしています。
それではまず、ニキビの保険診療でよく使う薬について解説していきます。
非抗菌薬の塗り薬(大きく分けて3つ)
こちらは非抗菌薬ですので、耐性が出ることはなくずっと使うことができます。
1. べピオゲル
べピオゲルには2つの効果があります。
①べピオゲルが分解される過程で産生される「フリーラジカル」がアクネ菌を物理的・化学的に破壊する
②同じく「フリーラジカル」によって角質剥離作用が進む、つまり毛穴が開く
べピオゲルは妊娠中の方にも小児にも安心してお使いいただけるお薬です。
特に赤ニキビが多く見られる場合、まずこちらをおすすめすることが多いです。
白ニキビにもそこそこ効きます。
2. ディフェリンゲル
こちらは、白ニキビに特化したお薬です。
レチノイン酸という物質であり、催奇形性が見られるため妊婦の方は使用できません。
ビタミンAの誘導体であり、角質に働きその異常を改善します。
3. エピデュオゲル
こちらは、べピオゲルとエピデュオゲルの合剤です。
毛穴を開かせる効果が抜群です。
ただし、注意したいのが、これらの薬は正常な皮膚にも作用してしまうため、かゆみ・赤み・乾燥などの副作用をもたらします。
そのため、これらの薬を塗る前に保湿剤を塗っておくことが大切です。
抗菌薬の塗り薬
こちらは抗菌薬ですので耐性が出来やすいですから、期間を決めて使うことが大切です。
耐性菌や塗りやすさを考慮した上で、現在一番使いやすい抗菌薬の塗り薬が「ゼビアックスローション」です。
実際は上記のべピオゲルやディフェリンゲルと併用することが多いです。
そうすることでニキビの治療期間が減少し、より耐性菌も出にくいというデータがあります。
内服薬
ニキビの内服薬には主に抗菌薬と漢方薬があります。
抗菌薬の内服は耐性菌が出現することを避けなければならないため、特に炎症がひどい時に短期間のみ(1〜1.5ヶ月ほど)使用します。